台車もカートも、空いていればどれを使ってもいい。新人のうちは、そう考えがちです。
ところがスーパーには、「それを使ったら、そこへ持ち込んではいけない」カートがあります。決めた用途以外に使わないことで、食品の安全を守っている専用のカートです。
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用途別専用カートとは
特定の商品や作業のためだけに使うカートの総称です。代表的なのが、青果の土物カート、容器を運ぶバットカート、ごみを集めるゴミカートの3つです。
| カート | 主な用途 | 入れてはいけない場所 |
|---|---|---|
| 土物カート | ジャガイモ・人参・ゴボウなど土の付いた野菜の品出し | 生鮮食品を扱う加工場・作業場 |
| バットカート | バットや容器を段ごとに分けて運ぶ | (用途に合わせて店のルールに従う) |
| ゴミカート | 段ボール・包装材・ごみの回収、水を入れて清掃にも | 食品を扱う作業台のまわり |
土物カート:生鮮の作業場には持ち込み禁止
ジャガイモ、人参、ゴボウ、里芋。土の付いたまま入荷する野菜を、売場へ品出しするためのカートです。置いている店は多くありませんが、使っている店では扱いに厳しいルールがあります。
土物カートには、土、すなわち土壌菌が付いています。野菜から落ちた土は、カートの棚板や車輪に残ります。
だから土物カートは、生鮮食品を扱うエリアへの持ち込みが禁止されています。精肉や鮮魚、惣菜の加工場は、生の食材や調理済みの食品を扱う場所です。そこへ土の付いたカートを入れれば、床や作業台を通じて、土壌菌を食品の近くまで運び込むことになります。
空いているからといって、土物カートで加工場の商品を運ばない。逆に、加工場のカートで土物を運ばない。カートを分けているのは、菌の通り道を分けるためです。
バットカート:容器を段ごとに分けて運ぶ
バットや容器を、段ごとに分けて差し込んで運ぶカートです。仕込み済みの材料を入れたバットを、冷蔵庫と作業場のあいだで移すときなどに使います。
食品が直接触れる容器を運ぶカートなので、棚板やレールの汚れがそのまま容器に移ります。使ったら洗う。ほかの用途に使わない。専用カートである理由は、土物カートと同じです。
ゴミカート:ごみ集めだけではない
段ボールや包装材、作業で出たごみを集めて、ごみ置き場まで運ぶカートです。
ゴミカートは、実は汎用性の高いカートでもあります。たとえば、水を入れて運べば、蛇口のない場所の清掃に使えます。駐車場や店の外まわり、搬入口など、水道から遠い場所を掃除するとき、バケツを何度も往復させずに済みます。
ただし、ごみを運ぶカートであることに変わりはありません。食品を扱う作業台のまわりや、商品を置く場所には近づけない。使ったあとは中を洗っておく。汎用性があっても、食品に近づけない線引きだけは守ります。
新人がやりがちな失敗
- 空いている専用カートを、別の用途に使う/とくに土物カートで加工場の商品を運ぶのは厳禁です。
- 土物カートを生鮮の作業場に入れる/近道のつもりでも、土壌菌を食品のそばに持ち込むことになります。
- ゴミカートを食品のそばに置く/清掃に使った水やごみの汚れが、食品の近くに残ります。
- 使い終わったカートを洗わずに戻す/次に使う人が、前の汚れの上に荷物を載せることになります。
選ぶときの基準
- 用途がひと目で分かるか/色や表示で「土物用」「ゴミ用」と見分けられれば、取り違えが減ります。
- 洗いやすさ/土やごみの汚れを、丸洗いで落とせる構造か。
- 置き場所/専用カートは、置き場所も専用に決めておくと持ち込み禁止のエリアに紛れ込みません。
業務用の専用カートの一例です。
あわせて調べたい言葉・備品
- 青果(用語集)
- 清掃(用語集)
- クリンリネス(用語集)
- ミニキャリアとは(備品の解説)
- 08 洗う・清掃する・衛生を保つ(備品の一覧)
- 01 運ぶ・移動する(備品の一覧)
専用カートを用途どおりに使う。それだけで、売場に出る食品の安全は一段上がります。
