土曜の昼すぎ、入口のカート置き場が空っぽになる。お客様はカゴを手に持ったまま店内へ入っていく。そのころ駐車場では、置き場に戻されなかったカートが車と車のあいだに何台も転がっています。
ショッピングカートは、スーパーでお客様がいちばん長く手にしている備品です。そして、店員の目がいちばん届きにくい備品でもあります。
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ショッピングカートとは
お客様が買い物カゴを載せて、店内で商品を運ぶためのカートです。カゴを上下2段に載せられるもの、子どもを乗せる座席が付いたものなど、店の規模や客層に合わせて形が変わります。
従業員が使う5段カートやカゴ車と違い、押すのはお客様です。使い方を教えることも、注意書きを読んでもらうこともできない。だからこそ、店員の目配りが事故を防ぐ最後の手段になります。
週末・祝日・催事の日に起きること
来店の多い日は、ショッピングカートに2つの問題が同時に起きます。
カートが足りなくなる
週末や祝日、催事の日はお客様の数が一気に増え、カート置き場が空になります。カートを使えなかったお客様は、重いカゴを手で持って店内を回ることになり、買う量を控えてしまいます。
本来の場所ではないところに放置される
足りなくなる原因の多くは、台数ではなく放置です。駐車場の車のそば、店の出入口の脇、売場の通路。置き場に戻されないカートがあちこちに残り、使える台数が減っていきます。
なかでも危ないのが駐車場です。風や地面の傾きで動き出したカートが、止まっている車にぶつかる。バックで出てきた車が、死角にあったカートに当たる。放置されたカートは、自動車との接触事故の原因になります。
来店が多い日ほど、駐車場や売場に散らばったカートをこまめに回収し、カート置き場へ戻す必要があります。回収はカート不足の対策であると同時に、事故の予防です。
店内で見かける危険な使い方
ショッピングカートは、使い方を間違えると売場の中でも事故を起こします。現場でよく見かけるのが次の2つです。
- 幼い子どもがカートに乗って遊ぶ/カゴの中や、座席ではない部分に乗り、カートごと倒れる。立ち上がったはずみで転落する。
- 売場でカートを手放しで押し流す/勢いをつけて手を離したカートは、ほかのお客様や陳列した商品に突っ込みます。押した本人も止められません。
見かけたら、もちろん声をかけます。ただ、注意の言葉だけがカートの事故を防ぐ方法ではありません。
事故を防ぐのは、店員の挨拶です
スタッフがお客様に挨拶する。それだけで、危険な使い方を防ぐ効果があります。
店員が売場にいて、自分たちに気づいている。挨拶はそれをお客様に伝えます。見られていると分かれば、子どもをカートで遊ばせ続ける親も、カートを押し流して遊ぶ子どもも減ります。注意する前に、事故の芽を摘めるのが挨拶です。
とくに効くのが、お客様の顔をきちんと見て挨拶することです。顔を見た挨拶は、万引きなどの犯罪の防止にもなると言われています。品出しをしながら背中越しに「いらっしゃいませ」と言うのと、手を止めて目を合わせて言うのとでは、相手に伝わるものがまったく違います。
店内では、きちんと挨拶する。カートの事故対策も、防犯も、そこから始まります。
新人がやりがちな失敗
- 駐車場のカートを「そのうち誰かが戻す」と放っておく/放置されたカートは車にぶつかり、置き場のカートも減っていきます。見つけた人が戻します。
- 品出しに集中して、カートで遊ぶ子どもに気づかない/作業中もときどき顔を上げて、売場全体を見てください。
- 挨拶を作業の合間の口ぐせにする/顔を見ない「いらっしゃいませ」は、お客様に届いていません。
選ぶときの基準
ショッピングカートを入れ替えるときは、店の売場と客層に合わせて次の4つを見ます。
- 通路幅/売場のいちばん狭い通路で、カート同士がすれ違えるか。
- カゴのサイズ/店で使っている買い物カゴがぴったり載るか。
- キャスター/まっすぐ進み、軽く曲がれるか。動きの悪いカートは、お客様が力任せに押して、ぶつかる原因になります。
- 収納スペース/カート置き場に何台並べられるか。前後に重ねて収納できるか。
業務用ショッピングカートの一例です。
あわせて調べたい言葉・備品
- 催事(用語集)
- ロス(用語集)
- 09 お客様・接客を支える(備品の一覧)
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