飲料、米、お酒。トラックから降ろされたパレットには、段ボールが人の背丈ほどまで積まれています。重さは平台車やカゴ車とは桁が違う。これを人の手で動かすための機械が、ハンドリフトです。
ハンドルを何度か上下に動かすだけで、何百キロもの荷物が床から浮き上がる。持ち上げるのは簡単です。危ないのは、そのあとです。
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ハンドリフトとは
パレットの差し込み口に2本のフォーク(爪)を入れ、ハンドルの操作で荷物ごと少しだけ持ち上げて運ぶ搬送機器です。エンジンもモーターもなく、動かす力はすべて人の力です。
カタログでは「ハンドパレットトラック」「ハンドパレット」の名前でも売られています。現場では「ハンドリフト」「リフト」と呼ぶことがほとんどです。
どこで、いつ使うか
出番は荷受けです。飲料や米、調味料などのケース商品は、パレットに積まれたまま納品されることがあります。それをトラックの荷台から降ろし、バックヤードの保管場所まで動かすのがハンドリフトの仕事です。
売場の入口や大型の催事売場まで、パレットごと商品を運ぶ店もあります。ただし営業中の売場に入れるかどうかは、店のルールに従ってください。
基本の使い方
- フォークを一番下まで下げる/レバーを下降の位置にして、フォークを床近くまで下げます。
- パレットに奥まで差し込む/フォークの根元までまっすぐ入れます。浅く差すと、持ち上げたときに荷物が手前か奥に傾きます。
- ハンドルを上下させて持ち上げる/パレットが床から少し浮けば十分です。高く上げる必要はありません。
- 前を確認して、ゆっくり動かす/動き出しは重く、動き出したら簡単には止まりません。
- 置き場所でフォークを下げ、まっすぐ抜く/レバーを下降に戻して荷物を床に下ろし、パレットを引っかけないように抜きます。
1度動いたパレットは、人の力では止まらない
ハンドリフトの事故のほとんどは、この一点から起きます。
動き出しは重いので、つい勢いをつけて引っ張る。すると今度は、荷物の重さそのものが勢いになって、押している人の力では止まらなくなります。通路の角で曲がりきれない。止まるつもりの場所を通り過ぎて、棚や人にぶつかる。カゴ車でさえ止まりにくいのに、パレット1枚分の重さを人の力だけで止めるのは無理があります。
だから、ハンドリフトは急がないことがすべてです。ゆっくり動かし、曲がる前に速度を落とし、止まる場所の手前から止める準備をする。傾斜のある場所は、とくに慎重に。少しの下りでも、荷物の重さで勝手に進み始めます。
新人がやりがちな失敗
- 足をフォークや車輪の近くに置く/重い荷物を載せたフォークや車輪に足を轢かれると、大けがになります。安全靴を履き、足は機械から離して操作します。
- 勢いをつけて動かす/前の項目のとおり、動き出したら止められません。
- フォークを浅く差したまま持ち上げる/荷物が傾き、積んだ段ボールが崩れます。
- 決められた重さ以上を載せる/ハンドリフトには製品ごとに最大積載量があります。超えると操作が効かなくなり、機械も壊れます。
- ハンドリフトに乗って移動する/遊び半分でも、転倒すれば荷物の下敷きです。
- 使い終わってフォークを上げたまま置く/通路で人がつまずきます。使い終わったらフォークを一番下まで下げ、決められた場所に戻します。
選ぶときの基準
ハンドリフトは高価な機器で、店の購買担当や本部が選ぶことがほとんどです。選ぶときは次の4つを確認します。
- 床の段差/搬入口のスロープ、冷蔵庫の入口、床の目地。通る経路に段差があると、小さい車輪ほど引っかかります。
- 積載重量/店に届くパレットの最大の重さに対して、余裕のある最大積載量を選びます。
- フォーク寸法/フォークの長さと幅が、店に届くパレットの差し込み口に合うか。合わないと奥まで差し込めません。
- 安全性/下降のスピードを調整できるか、ブレーキが付いているか。重い荷物を扱う機械ほど、止める仕組みを見てください。
ハンドリフトの一例です。
あわせて調べたい言葉・備品
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持ち上げるのは一瞬。止めるのは、動かす前から始まっています。
