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守る・知らせる
安全用品は、事故が起きてから使うものではありません。事故が起きる前に知らせ、近づかせず、迷わせないための道具です。置いてあることではなく、見えていることに意味があります。
お客様や従業員の事故を防ぎ、店内を安全に利用してもらうための備品・表示用品をまとめました。スーパーでは、床の濡れ、段差、作業中の通路、機器まわりなど、日常の中に小さな危険がいくつもあります。
探しているのは、どんな道具ですか?
立入制限・注意喚起
カラーコーン
作業中の場所、危険箇所、立入禁止区域などを、一時的に分かりやすく示すための備品です。
現場メモ|コーンは、危険な場所に置くのではなく、危険な場所へ向かう手前に置きます。真横に立てても、気づいたときには既にその場所に立っている。それと、置いたまま何日も残っているコーンは、風景になります。風景になったコーンは、本当に危ないときに誰も見ません。出したら、その日のうちに片づける人を決めておくこと。
通路・区画を仕切る
チェーン・ポール
カラーコーンや専用ポールと組み合わせて、通路や作業区域を簡単に仕切るための用品です。
現場メモ|たるんだチェーンは、仕切りではなく引っかけるための線になります。膝より下に垂れたチェーンは、足元を見ていないお客様の靴に必ず当たる。張るなら、しっかり張る。中途半端に垂らすくらいなら、コーンだけ並べたほうが安全です。片側だけ外して「通れる」状態にしたまま放置するのも同じで、通っていいのか悪いのかが誰にも伝わりません。
床濡れ・清掃作業を知らせる
清掃中・床濡れ表示
モップ掛けや洗浄直後など、床が滑りやすいことをお客様や従業員へ知らせるための表示です。
現場メモ|転倒事故で必ず問われるのは、表示を出していたかどうかです。出していなければ、店側に説明する材料がありません。そして事故が起きるのは清掃中ではなく、モップを片づけて表示だけ残っている時間帯でもなく、乾いたと思って表示を先に下げた直後です。床は、見た目より乾くのが遅い。下げるのは、触って確認してからです。
危険・注意を伝える
注意表示・警告サイン
段差、頭上注意、立入禁止、作業中など、その場所で注意してほしい内容を表示するための用品です。
現場メモ|同じ場所に注意書きを何枚も貼ると、どれも読まれなくなります。一枚だけなら見る、三枚あると全部素通りする。文字数も同じで、二行を超えた注意書きは歩きながら読まれません。それと、貼りっぱなしで色あせた表示は「もう関係ない場所」だと受け取られます。褪せた紙は、無いより悪い。
滑りやすい場所の対策
滑り止め用品
水場、出入口、バックヤードなど、滑りやすい場所で転倒を防ぐために使うマットやテープなどの用品です。
現場メモ|めくれたマットは、滑り止めではなくつまずきの元です。端が浮いた時点で、防いでいた事故を自分で作り始めている。特に台車が通る場所は、車輪が端を叩いて数日でめくれます。それと、水を吸ったマットを敷きっぱなしにすると、下の床が滑ります。マットの上は安全でも、その一歩先が危ない。
角への衝突を軽減
コーナーガード
柱、棚、什器などの角へ取り付け、人や台車が接触したときの衝撃を軽減するための用品です。
現場メモ|どの角に付けるべきかは、店が教えてくれます。塗装が剥げている角、傷が集中している角。そこが毎日ぶつかられている場所です。新品のガードを目立つ柱に付ける前に、削れた角を探すほうが早い。剥がれかけたガードを放置すると、そこに指を引っかけたお客様が怪我をします。守るための備品が凶器になる、いちばんありがちな形です。
店内案内・誘導
案内スタンド・誘導表示
レジ、トイレ、サービスカウンター、出口など、お客様を目的の場所へ分かりやすく案内するための用品です。
現場メモ|案内表示が要る場所は、従業員が「トイレはどこですか」と聞かれる場所です。聞かれた回数を数えていれば、どこに何を出すべきかは全部分かる。逆に、誰も聞かない場所に立派なスタンドを置いても意味がありません。表示の高さは大人の目線で決めがちですが、探しているのは高齢のお客様であることが多い。少し低めのほうが届きます。
作業区域を一時的に囲う
バリケード・仕切り
工事、清掃、設備点検など、お客様に入ってほしくない場所を一時的に囲うための備品です。
現場メモ|囲うときに、迂回路を示さない店が多い。入れないことは伝わっても、どこを通ればいいかが伝わらず、お客様は立ち止まって引き返します。売場を一区画封鎖するなら、その先へ回る道を同時に案内する。それと、営業中に囲った場所は、閉店まで囲ったままにするのが原則です。途中で外すと、作業が終わったのか続いているのかが従業員にも分からなくなります。
死角の確認
安全ミラー
バックヤードの曲がり角や出入口など、人や台車が見えにくい場所の死角を減らすために設置します。
現場メモ|バックヤードの出入口は、店内で最も接触が起きる場所です。片方は荷物を抱え、片方は台車を押していて、どちらも下を見ている。ミラーは付いていても、角度が一度ずれたまま何年も放置されていることがあります。設置した日に一度見て終わり、では機能しません。汚れて曇ったミラーも同じで、映らないミラーは無いのと変わりません。
災害・停電への備え
防災用品
停電、地震、火災、避難などに備えて、店舗で保管しておく防災・非常用の用品です。
現場メモ|置き場所を知っているのが店長だけ、という店は珍しくありません。しかし停電も地震も、店長がいる時間帯を選んで起きません。誰が開けても分かる場所に置き、扉に何が入っているかを書く。それだけです。懐中電灯は電池が切れ、非常食は期限が切れる。点検表に載っていない備品は、必要になった日に使えないものだと考えたほうがいい。
どれを使えばいい?
安全用品は「置いただけ」で終わりではありません
清掃中の表示が床の隅に置かれていて見えない、カラーコーンが危険箇所から離れすぎている、注意表示の文字が小さくて読めない。これでは、備品があっても役割を果たしません。安全用品は購入した時点では何も守っていません。守り始めるのは、正しい位置に、見える形で置かれた瞬間からです。
また、案内用品や安全用品そのものが通路を狭くしたり、転倒の原因になったりしない配置も必要です。守るために置いたものが新しい危険を作っている例は、どの店にも必ずあります。
個別ページでは、備品そのものだけでなく、どこに置くか、どう見せるか、いつ撤去するかまで含めた使い方を紹介していきます。